〜朝日新聞1998/06/02朝刊〜
高濃度のダイオキシンが大阪府能勢町のごみ焼却場「豊能郡美化センター」周辺の土壌から検出された問題で、厚生省は1日、施設の設置者である豊能郡環境施設組合と焼却炉メーカーの三井造船などの事情聴取から、組合や三井造船が排ガス中のダイオキシン濃度測定の際、燃焼をよくするために灯油を使うなど意図的な操作をしていたことが明らかになったと発表した。
組合などからの回答によると、排ガス中のダイオキシン濃度を測定した昨年1月29日には、ごみをごみ袋から出して焼却炉に投入していた。焼却炉の立ち上げにも灯油を使い、通常よりも時間をかけてごみを入れる前の炉内温度を高くするなど、ダイオキシンの発生を抑えようとしていたことがわかった。電気集塵器の入口の温度も通常よりも低い280度に操作されていた。
また、昨年5月の測定日には、同様の操作のほか、時間当たりの焼却量を通常運転の3分の1程度に抑えたほか、2炉のうち1炉では灯油だけを燃焼させていたこともわかった。
さらに、組合は、6年前にダイオキシン対策のための施設改造を三井造船側に打診したものの、多額の経費がかかることを理由に、工事を断念していたことも今回初めて明らかになった。
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