〜朝日新聞1998/06/04夕刊〜
厚生省は3日夜、ダイオキシン類について、省内に専門家から成る検討会をできるだけ早く打ち上げ、1生とり続けても健康に影響のない耐容1日摂取量(TDI) の再検査に取り組むことを決めた。TDI を体重1キロ当たり10ピコグラムから1〜4ピコグラムにすると合意した世界保険機構(WHO) の欧州専門家会議の結果を受けたものだ。
厚生省に入った連絡によると、 WHO連絡によると WHOの専門家会議で示された数値は、毒性や構造がダイオキシンに類似しているコプラナ−PCB(ポリ塩化ビフェニール)も含まれる。
WHOの専門家会議は、現在、「検討しがたい程度の影響が一般の人々に起きているかもしれない」として、摂取量を極力抑えるためにあらゆる努力を行うべきだとも勧告した。
日本では、一生とり続けても健康に影響ない耐容1日摂取量の10ピコグラムをもとに、ごみの焼却炉の排ガス中のダイオキシンの濃度基準などを決めており、見直しを迫られることになる。
ただ、人が摂取するダイオキシン類の多くは食品からのもので、検討会では食品の評価や基準作りの有無なども話し合う。いままでは手つかずだった土壌の汚染調査などの対策も急務になる。
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