[全連続炉の仕組みについて、杉並清掃工場に説明していただきました]


 杉並清掃工場では開設以来毎日600tの一般廃棄物を焼却しています。 炉型は全連続炉です。 この炉は最初に空っぽの状態で、天然ガスをガスバーナーで燃やし、炉内を600℃まで上げます。 ゴミを投入しゴミを燃やしはじめ、温度を850〜1000℃に保ちます。 ゴミに火がついたらバーナーは消します。ゴミはクレーンで、バケットに入り一回3t位づつ投入し、一時間あたり平均12.5t、一日一炉につき300tを処理します。 一度火をいれると3ヶ月位は連続して燃やします。 空気送風、ゴミ投入などこれらはすべてコンピュータ制御され自動燃焼します。
 杉並清掃工場の場合、炉は三基ありますが住民協定がありまして、一日二基だけ使っています。 三基が平均して使用されるよう運転計画をたてています。 どの炉も一年に一度中身を全部だし、炉内にたまったカス等を取り除くなど、炉を止めてオーバーホールをします。 排煙は電気集塵機を一度とおり、温度を300℃にまで下げます。 灰冷却水槽にいれ、灰は東京都の中央防波堤の外の管理埋め立て地に埋めます。
 ダイオキシン濃度の測定は1996年10月4日に行いました。 排煙中の濃度は、一炉につき2.20ng-TEQ/N m3 でした。 二炉ありますからこの二倍ということになります。排出煙の量は濃度調査時、ノルマル状態、湿りで、79200 m3 /1h 乾きで、53100 m3 /1hでした。
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 このお話から、湿りの時は、一日当たり一炉に付き 4181760ng 即ち0.00418g二基で 0.00836g  365日(一年)で3.052gのダイオキシンが排出されていることになる。
ダイオキシンがいかに微量で毒性があるかはダイオキシンリスク評価検討会の報告の概要(http://www.eic.or.jp/eanet/dioxin/hr_r_idx.html)を見てもらえばわかるので、ここでは詳しく述べないが、一日の排出量が少なくても毎日、自然界に存在しない毒物を排出していることを考えると人間は自分の出したゴミで、自らの生命を脅かしていることを益々実感してしまう。早く皆がその恐ろしさを感じて行動しなければならないのではないか。


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