<ダイオキシン発生の欠陥炉に対し、住民側メーカーを提訴>


 '97/9/11付朝日新聞夕刊によると「ダイオキシン発生の欠陥炉に対し、兵庫県宍粟郡千種町の住民が、この炉を製作した三井造船を相手取り、工事費の一部を賠償するよう求める住民訴訟を起こした。この訴訟に対し、メーカー側は、建設当時の国の環境基準は満たしていると責任回避」とある。
 周辺住民の気持になってみよう。多額の税金を使って建設された焼却炉より、数年に亘って、ダイオキシンが基準値以上排出されていた。そのため今年の4月にはその焼却炉が操業停止になってしまった。この怒りは、当然この焼却炉を造ったメーカーにも行政にも向けられるであろう。住民にしてみれば、最初からダイオキシンなどの発生しない、完全燃焼する焼却炉を求めていたはずである。また当初、微量にしか発生していなかったとしても、どうしてその後、基準値以上のダイオキシンが発生するようになってしまったのか。この「炉頂型」といわれる焼却炉が、ゴミを投入するごとに燃焼温度が下がり、不完全燃焼するためだとしたら、そうした炉の設計自体に問題があったためだと思われる。こうしたケースは全国各地で起きていると考えられ、早急に焼却炉の改良が要求されるであろう。行政とメーカーがいくらかばい合っても多額の税金を使ってしまったことは許せない。製造物責任法にてらしても責任はしっかりとってもらいたい。焼却炉はどんな小規模なものでも、数億円、数十億円するものなのだから、住民には要求を受け入れさせるよう大いに頑張ってもらいたい。ダイオキシンが発生しないように焼却炉を改良し、徹底した分別収集、種類別焼却など、しっかりした方策をたてさせ、全国のお手本になってもらいたい。


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