〜沖縄タイムス1998/05/22朝刊〜
がん性が指摘されているダイオキシン濃度が全国ワースト10に入った与論町清掃センターは1996、1997年度、ごみ処理し説基幹的整備工事を実施した。燃焼設備やダイオキシン削減対策設備などを整備した結果、この1月の調査でダイオキシン濃度が2.7ナノグラムまで低下していることが分かった。厚生省が昨年4月公表した調査結果から大幅に削減されたわけで汚名返上した。
厚生省のダイオキシン基準値は一立方メートル当たり80ナノグラム。同長清掃センターはこの4.4倍に当たる350ナノグラムもあり、全国のワースト10位にランクされ、厚生省は焼却炉の改善が必要な施設として公表した。
これらを受けて同町は改善工事に着手。2年間で総事業費3億325万円を投入して燃焼設備や燃焼ガス冷却設備、ダイオキシン削減対策設備を整備。ダイオキシンが発生しやすい300〜500度帯の時間を短縮し、発生しにくい800〜850度まで一気に引き上げるとともに、ごみの量が少なくなっても温度が低下しないように改善した。
しかし、ごみ対策はダイオキシン問題ばかりではない。施設の整備には巨額の事業費を伴うため、一島一町で広域行政の展開ができない同町にとっては大きな負担。「ごみ問題」は観光の島のイメージも損ないかねない。大田元茂町民生活課長は「ごみの減量、分別の徹底が不可欠」と指摘。ごみ対策に住民の協力を求めていく方針。
|