「火葬場のダイオキシン類 厚生省基準を下回る」





〜沖縄タイムス1998/05/14朝刊〜

 厚生省は13日、火葬場に排ガスに含まれるダイオキシン類の濃度を調査した結果、最も値の高い施設で1立方メートルあたり6.5ナノグラム(1ナノグラムは10億分の1グラム)と厚生省の基準の80ナノグラムを大きく下回った、と発表した。火葬場のダイオキシン類についての全国調査は始めて。
 厚生省は「現時点では問題ない」としているが、火葬場から排出されるダイオキシン類の濃度についてはこれまで基準やガイドラインがなく、測定調査を本年度も継続してデータを収集し、1999年度をめどに独自の指導基準を策定する方針。調査は昨年11月から今年4月にかけて、全国約1700の火葬場から10カ所を選んで、各施設2〜3回測定した。
 その結果、ダイオキシン類の排出濃度は6.5〜0.0099ナノグラムだった。6.5ナノグラムを記録した火葬場は集塵装置がなく、遺体を燃やす主燃焼炉4機に対し、主燃焼炉から出る排ガスの不完全燃焼物質を燃やす再燃焼炉は1機の割合だった。
 一方、集塵装置を通すなどして、排ガス中に含まれる細かい粒子の濃度が1立方メートル当たり50ミリグラム以下になり、再燃焼炉内の温度が850度以上だった火葬場では、ダイオキシン類の濃度が低かった。厚生省は「ごみの焼却施設の場合と同じ傾向を示した」としている。

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