「ダイオキシン焼却灰から高濃度検出!!」

国内2番目の数値(和歌山県橋本市)


 和歌山県橋本市野にある「日本工業所」(本社・大阪府堺市)の産業廃棄物中間処理場で、放置されていた焼却灰から猛毒のダイオキシン類が29,740pg/g(pg:ピコグラム1兆分の1)検出された、と処理場周辺で監視活動を続けてきた市民団体が24日発表した。香川県豊島(てしま)の廃棄物層の39,000pg/gに次いで、国内で測定された数値としては2番目の高濃度で、焼却灰としては、これまで最高だった埼玉県所沢市の産業焼却炉の濃度の約7倍。和歌山県によると、この処理場には1995年春ごろから阪神大震災で出た家庭廃材などを含む約20,000m3の産業廃棄物が持ち込まれ、刺激臭などを訴えて入院する住民もいた。
 周辺住民らで組織する「産業処理場を撤去させる会」(辻田育文代表)の協力で、摂南大薬学部の宮田秀明教授が8月、焼却灰と土壌を採取し調べていた。焼却灰は焼却炉からかき出され、1年近く、一部をビニールシートで覆い野ざらし状態で置かれているという。野積み産廃に土をかぶせた土壌からは、約260pg/gを検出した。
 宮田教授は「所沢市の産廃焼却施設での灰の濃度は2,000pg/gと4,300pg/gだったので、今回は極めて高濃度だ。埋め立て土壌からも260pg/gを検出しており、業者がいう『建築廃土壌』ではなく、ほかの焼却灰が混入した土壌であると判断できる」と話している。

〜朝日新聞1997/12/24朝刊より〜

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