廃棄物の焼却後に残る焼却灰や飛灰には、1g中数10〜数100ナノグラムのダイオキシンを含む可能性がある。ダイオキシンは水に溶けにくい物質とされるが、環境庁の調査では、河川や湖などの水質から微量ながら検出されている。 摂南大学の宮田秀明教授によると、潜在や酸性雨などに触れるとダイオキシンは水に溶けやすくなり、地下水に浸透していくという。 ごみ焼却場の灰にダイオキシンが含まれていることは、日本では1979年に堪忍されたにもかかわらず、自治体は20年近くにわたって素堀りなどの処分場に捨て続け、国はこれを放置してきたことになる。 厚生省は「一般廃棄物処分場の設置は届け出制で罰則規定がない」と言い訳するが、範を示すべき行政自らが「不法投棄」をいわば黙認してきた責任は重い。問題のある処分場は直ちに搬入を停止するのはもちろん、環境著などの調査で汚染が確認された場合には、掘り返して適正な処分場に埋め直すなど対策が求められる。 今回の調査には、全国約2700カ所ある産業廃棄物処分場は含まれていない。産業処分場については、設置許可の際に立ち入り調査をしているというが、環境庁の1994、1995年度の調査では、82カ所から水銀、カドミウム、鉛、ヒ素などが検出されており、産廃処分場についても早急な全国調査が必要だ。 市民だ引退の調査では、ごみ処分場の建設をめぐって全国で約400カ所が住民投票なども相次いでいる。これより処分場の不足が問題になっている。しかし行政がごみ問題に対して意識が低い状態では、住民の理解を得るのは難しい。 〜朝日新聞1998/03/07朝刊〜
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