家庭ごみ有料化方針
3月市議会で提案へ−青梅市−
 青梅市は今年10月から、家庭ごみの収集を優良にする方針を固めた。処理手数料を含んだ市の指定ごみ袋を市民に買ってもらい、減量を進めるのと、出す料に応じた負担を求めるのがねらいだ。市議会3月定例会に条例の改正案と、必要経費を盛り込んだ新年度予算案を提出する。実現すれば、この方式での有料化は都内の市区町村では初めてという。市はごみ全体の量が2割減ると見ている。
市は1968年から、いつでも捨てられるダストボックスを設けて集めている。これだと、便利な半面、分別や減量が進まないため、全面的な見直しを検討していた。
 指定袋は、可燃物用と不燃物用の2種類。それぞれ@10リットル(10枚セット−120円)A20リットル(10枚セット−240円)B40リットル(10枚セット−480円)の3種類の大きさを用意する。
 市の試算によると、1世帯2.7人(市平均)の家庭では、年間4,925円(1ヶ月約410円)の負担になるという。60歳以上だけの家庭や生活保護世帯などには、一定量の袋を無量で配る予定だ。
 集め方も、現行のダストボックスを撤去し、各家庭の前から集める個別収集に変える。回収車の台数を増やして対応するが、可燃物の回数は週3回を2回にする。不燃物は現行と同じく週1回を続ける。ビンや缶、新聞などの資源ごみは無料で回収するという。  都内では、奥多摩町が1世帯ごとに一律、1ヶ月500円の手数料を徴収する方法で、家庭ごみを有料にしている。

市民の意識高まる
 ごみに問題に詳しい早稲田大・寄本勝美教授(地方自治論)の話:自治体にとって家庭ごみの有料化は不可避の課題になってきている。埼玉県与野市などですでに実施、減量やリサイクルに成果をあげている。「ただ」といっても税金で収集しているわけで、有料化で市民の経済意識も高まる。ごみを作り出しているメーカーや流通業界も、容器や包装の回収や減量について関心を高めざるを得なくなる。手数料を積み立て、福祉や緑の保金など、目に見える施策に使って市民に還元すれば、負担感もやわらぐだろう。

「分別」徹底が先決
 廃棄物を考える市民の会運営委員の酒井浩江さんの話:いつでもごみが捨てられるダストボックスの廃止は評価するが、本当に減量化が目的なら、分別収集をまず徹底するのがスジ。有料化を同時にするのは乱暴すぎる。そもそも、モノをつくる段階での「発生抑制」政策がないまま、消費者負担の有料化で排出時にごみを減らそうと言う発想自体に無理がある。取りやすい所から取ろうということだ。すでに有料化を実施した自治体でも数年で市民が慣れてしまい、減量効果が無くなっているところが多い。

〜朝日新聞1998/02/25朝刊〜


Back