産廃住民投票、反対97%─岡山・吉永町



〜〜全有権者の89%〜〜

 産業廃棄物最終処分場の賛否を問う全国で3例目の住民投票が8日、岡山県吉永町であり、即日開票の結果、建設反対が3774票で、賛成の68票を大きく上回った。反対の得票率は97.95%で、有権者全体に占める絶対得票率は89.77%。いずれも、産廃施設建設をめぐる住民投票では過去2回を上回り、最高だった。処分場の建設を計画している第三セクターは投票結果に関係なく、2月中に許可申請するとしており、許可権者の知事の対応が注目される。
 当日有権者数は4,203人、投票率は91.65%。産廃をめぐる住民投票の反対得票率は、昨年6月の岐阜県御嵩町が79.65%、同11月の宮崎県小林市が58.69%だった。
 吉永町では、地区長らでつくる産廃阻止連絡協議会が、ほぼ町ぐるみの運動を展開。不在者投票は有権者の17%に達した。
 住民団体の勝利報告集会で北川禎昭町長は「町の将来を考えて決断した住民投票の結果を重く受け止め、その意思を尊重したい。知事にこの結果を強く申し上げたい」と述べた。
 産廃処分場は、吉永町に近い岡山県長船町と民間3社が出資する第三セクター「スリーエー」が計画。山林約9.9ヘクタールに管理型最終処分場(6.55ヘクタール)を建設し、燃えがらや汚泥、建設廃材など140万トンを15年かけて埋め立てる。1994年11月に事前計画書が県に出され、建設に向けた事前協議は昨年12月に事実上終了した。  岡山県の石井正弘知事は8日、「吉永町民の意思が表明されたものとして受け止める。この問題は、吉永町と事業主体の間で十分な話し合いによる円満な解決が望ましい。今後の対応については、事前協議の状況や今後提出される吉永町長の意見を踏まえ、慎重かつ適切に対処したい」との談話を発表した。


〜朝日新聞1998/02/09朝刊〜

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