資生堂は12日、環境報告書を発表し、商品の包装用の容器やフィルムに使われている塩化ビニール樹脂を2000年度までに全廃する方針を打ち出した。また、工場での二酸化炭素(CO2)排出量を1990年度に比べて15%削減することにした。 塩ビ樹脂は包装容器や食品包装材などに広く使われているが、低温で燃やすとダイオキシンなどの有毒ガスを発生させるといわれている。資生堂は91年度から使用削減に取り組んできたが、一部の商品では塩ビ以外の容器を使うと中身の液体成分が漏れ出すおそれもあったため、これまでは全体の樹脂量の1.5%程度は塩ビを使っていた。 今回、全廃方針を打ち出した理由として「ペットボトルなどの技術開発が進み、代替素材の使用にめどがついたため」としている。 CO2の削減については、化学業界全体では10%の削減が目標になっている。資生堂の目標はそれを上回るものだ。 〜朝日新聞1998/01/13朝刊より〜
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