「厚生省 多難なごみ処理広域化」

〜〜自治体に計画策定を通知〜〜


 一般ごみ焼却施設からのダイオキシン発生を抑えるため、厚生省はごみを24時間連続して燃やすよう地方自治体に求めている。そのためには、小規模な自治体はごみ処理を広域化し、一日最低百トン以上のごみを集めなければならない。
 厚生省は今年五月に「地域内処理」の原則を転換し、年度内の広域化計画を求める通知を都道府県に出した。しかし、24時間連続で燃焼してもダイオキシン排出を完全に抑えることは無理なだけに、どこに広域処理の焼却場を造るか、自治体の枠を超えて相互調整するのは難しそうだ。  兵庫県は同省の通知を受け、ごみ焼却施設整備小委員会を設置し、広域化計画の策定に全国に先駆けて乗り出した。県内59施設のうち処理量が百トンを下回る38の施設を対象にしている。
 同県は「大都市を除いて7ブロックに分け、 来年3月末までに広域化の結論を出してもらう。焼却場は迷惑施設なので、し尿処理場、廃棄物の最終処分場などと併せて自治体間で広域分担する”痛み分け”が必要だろう」と話す。  厚生省は百トン以上の施設だけにしか施設整備の補助金(設備費の4分の1)を出さないことで、ごみ処理の広域化を誘導しようとしている。
 その一方で、百トン未満の小規模施設の建設についても自治体の負担が増えないように、財政措置を自治省に要望するなど対応は一貫していない。
 このため、広域化は「市町村がどれだけダイオキシン問題に危機意識を持っているかにかかっている」(厚生省)というのが実情だ。

〜琉球新報1997/08/25夕刊〜

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