「ごみ発電 実証へ」

** 電発、平成9年10月から本格試験 **

ダイオキシンを大幅抑制


 電源開発は、家庭から出るごみを利用する「ごみ発電」の事業化に向け、今年10月から実証用プラントでの本格的な試験を開始する。通常の焼却処分に比べ、ダイオキシンなどの有害物質の発生を大幅に抑制することが可能で、地方自治体と連携してごみ発電の普及を目指す。
 重機メーカーと共同でこれまでの石炭火力の技術を応用した排煙処理技術を開発。ごみを燃やし発電する際に出る排煙の中に含まれるダイオキシンを活性炭で吸着した上、高温で加熱処理し分解するのが特徴。硫黄酸化物、窒素酸化物なども除去できる。
 この処理で、政府がごみ処理施設を新設する場合のダイオキシン発生量の目標基準値である「一立方メートルあたり0.1ナノグラム」(1ナノは10億分の1)を大きく下回ることができる、としている。
 試験は若松総合事業所(北九州市)に設置した燃焼装置と排煙処理施設で実施。一年半かけて環境関連のデータを収集するとともに、発電効率や耐久性などを調べる。
 発電には生ごみを粉砕し、乾燥処理した「廃棄物固形化燃料」を使用する新型の焼却装置を採用。発電能力は百万人分のごみで約三万キロワットと、従来のごみ発電の二倍程度にまで向上する見込み。
 すでに三重県や広島県、青森市から最適な発電規模や効率的なごみ収集方法などについて、導入に向けた調査依頼を受けるほど自治体側の関心は高い。
 五年後の民営化が決まった電発は、自治体との第三セクター方式での事業参加や技術協力を進め普及促進を図り、収益に結びつけていきたい考えだ。


〜琉球新報1997/08/20朝刊〜

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