「環境ホルモンで調査・研究活動」

市民グループが発足



〜沖縄タイムス1998/06/25夕刊・くらし〜

 市民レベルで、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)についての調査・研究、情報交換、啓発活動に取り組もうと消費者団体、生協、産直関係者らが中心になって「環境ホルモン全国紙民団対テーブル(略称・市民テーブル)」(事務局・東京)が20日発足した。
 設立に関わったのは、日本消費者連盟、生活協同組合連合会グリーンコープ事業連合(福岡)、大地を守る会、日本子孫基金など東京、大阪、福岡の9団体。
 「環境ホルモンの問題は、毒性、発ガン性など従来、化学物質について言われていた危険性を越え、人類や生物の存亡に関わる」と基本認識に立ち、定期的な後援会のほか、環境ホルモンが含まれる商品のテスト、製造・販売の中止・削減など業界団体への申し入れ、代替え品開発などの活動を勧める方針。
 また、ニュースレターを発行し、市民テーブルへの参加を呼び掛け、地域ごとの市民テーブル結成などを通して、全国規模のネットワーク構築も目指している。
 同日は、都内の品川区立総合区民会館で発足記念の「環境ホルモン国際シンポジウム」を開催。この中で、マイケル・スモーレン・世界自然保護基金(WWF)科学顧問が「汚染物質による神経毒性と行動異常」と題して講演。「環境ホルモンは、動物の通常の調節システムに混乱と混沌をもたらす。胎児や新生児には障害にわたる機能障害を引き起こす」と訴えた。
 事務局長を務める小若順一・日本子孫基金事務局長は「環境問題=環境ホルモンと言ってもいいくらい、環境ホルモンの問題は重要だ。研究や対策についても政府も動きだしたが、市民レベルでもこれをきちんと受け止め、皆で協力して問題解決の糸口や手がかりを見つけていきたい。国際的な連帯の必要性も出てくると思う」と話している。

 「環境ホルモン全国市民団体テーブル」の連絡先は、
〒102-0083
東京都千代田区麹町2-5-2
日本子孫基金内
TEL 03(5276)0256


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