〜沖縄タイムス1998/06/13朝刊〜
ホルモンに似た働きをして生殖機能などに悪影響を与えるとされる環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)の一種、ビスフェノールAが溶け出すとの研究報告が出ているポリカーボネート製の食器が学校給食で使用されていることが分かり、那覇市は近くこれらの食器をすべて取り換える方針を明らかにした。12日の同市議会で、浜比嘉宗隆・学校教育部長が高里鈴代議員(市民クラブ)らの質問に答えた。県教育庁によると、県内の自治体で初の取り組み。
高里議員は環境ホルモンに関し「学校、保育所の給食に使われる食器の安全性と改善策」などについて質問。これに答弁した浜比嘉部長は、市内の小中学校51校のうち、ポリカーボネート製のはしを利用しているのが50校、
トレーの利用が14校に上る実情を報告。その上で「児童・生徒の健康に万全を期すため、ポリカーボネート製の食器の取り換えについて早急に検討したい」と述べた。
取り換える食器は、34,931人分のはしと、10,134人分のトレー。9月議会で関連予算が計上される見通し。県外では、仙台市や神奈川県相模原市などですでに取り換えが実施されているという。
市教委は「ポリカーボネート製の食器の使用は厚生省の基準には触れないが、マスコミなどで有害性が指摘されており、保護者らの感情にも配慮した」と説明している。
また、那覇市は市内十九の公立保育所のうちポリカーボネート製のはしを使用していた八保育所で、今月初めに木製のはしへ取り換えたことも明らかにした。無認可の保育所についても県と連携して近く実態調査に乗り出すという。
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