〜沖縄タイムス1998/06/01朝刊〜
ごみ焼却などで発生し人体への影響が問題になっている猛毒物質ダイオキシンが、野鳥の体内にも高濃度で含まれていることが愛媛大の脇本忠明教授(57)らのグループの調査で分かり、6月4日から京都市で行われる「第7回環境科学討論会」で発表される。野鳥のダイオキシン汚染に関するデータは少なく、野生生物へのダイオキシン汚染を示す実例として注目されそうだ。
A魚などを餌にする鳥の濃度が、低生生物を餌とする鳥よりも高い 脇本教授は、洛東江流域の工場のごみ焼却や、農業地域からの農薬流入などを原因とするダイオキシンが魚などにたまり、それらをえさとする鳥の体内に蓄積されたのではないかとみている。 今秋には国内のトビやカラスを調査、今回のデータと比較する予定だ。 脇本教授は「これほど高濃度のダイオキシンに野生生物が汚染されているということは、地球全体の生態系への影響が予測される」と指摘している。 |