「ダイオキシン、血液に高濃度──能勢焼却場の元職員」



〜朝日新聞1999/02/10朝刊〜

 ダイオキシン汚染が問題化した大阪府能勢町のごみ焼却施設「豊能郡美化センター」の 元従業員男性2人の血液から、高濃度のダイオキシンが検出されたことが9日、 摂南大学(大阪府枚方市)の宮田秀明教授(環境科学)の調査で明らかになった。 血液中に含まれるダイオキシンは通常、脂肪1グラム当たり20ピコグラム (ピコは1兆分の1)が平均的な濃度といわれるが、2人の元従業員はこの7〜9倍の値 だったという。2人は近く焼却場労働者として初めて、ダイオキシン被害の労災認定を 申請すると表明した。

 調査を受けたのは退職後、2度のがんの手術を受けた竹岡光夫さん(67)と、 皮膚の病気に悩む畑中克男さん(61)で、ともに能勢町に住んでいる。 健康不安が続くため、血液100ccを採取した結果、畑中さんから血液中の脂肪1グラム当たり 180ピコグラム、竹岡さんから136ピコグラムのダイオキシンが検出された。

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