「母乳ダイオキシン/初産婦、経産婦の1.4倍「高齢出産ほど高濃度の傾向」−都調べ」



〜朝日新聞1998/12/01朝刊〜

 母乳に含まれるダイオキシン類について、東京都は30日、初産婦の母乳中の濃度が経産婦の1.4倍にのぼる、との調査結果を発表した。初産婦を対象にした調査は厚生省などがしているが、経産婦の母乳中のダイオキシン類調査は国内では初めて。都は「高齢で第一子を出産するケースほど、母乳中のダイオキシン類濃度が高くなる傾向にある」とみている。

 調査の対象は、都内在住の25〜34歳の授乳中の母親。初産婦と第二子を出産した経産婦それぞれ60人、計120人に、出産後30日目の母乳を50ミリリットル程度ずつ提供してもらった。

 母乳中脂肪1グラム当たりのダイオキシン類の平均濃度は、初産婦の18.8ピコグラム(1ピコは1兆分の1)で、経産婦の13.1ピコグラムの約1.4倍だった。

 年齢、出産経験別にみると、30〜34歳の初産婦で21.0ピコグラムで、最も低い25〜29歳の経産婦の12.9ピコグラムの約1.6倍だった。

 ただし個人別に見ると、数ピコグラムから三十数ピコグラムと差が大きかった。このため、都は今後、今回の対象者へのアンケートなどをもとに、食生活と母乳中のダイオキシン類濃度の関連についても分析する方針だ。

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