〜朝日新聞1998/10/02朝刊〜
高濃度のダイオキシンで汚染された大阪府能勢町のごみ焼却施設「豊能郡美化センター」で2日、汚染土壌を取り除く作業が始まった。1グラム当たり8,500ピコグラム(1ピコは1兆分の1)の汚染が確認された同センター南約30mの斜面が当面の対象で、約1,200平方メートルの表土20cmを取り除く。ダイオキシン汚染土壌の除去作業は国内で初めて。
豊能郡環境施設組合による作業は、午前8時に始まった。汚染土流出を防ぐため、斜面の下には高さ約1メートルの木のバリケードが築かれた。建設会社の作業員が防じんマスクを着け、スコップで汚染土を削り取り、半分に切ったドラム缶に詰めて運び、袋に移しかえた。
日本にはドイツなどのようにダイオキシン汚染土壌の除去基準がないため、大阪府が設置した専門家による検討委員会が1,000ピコグラム以上の汚染土壌について表土を除去する指針を示した。
|